著作権教育の大切さはわかっているけれど、まだ小さいし、学校だから大丈夫と後回しにしていませんか?
著作権法は複雑で定期的に改訂されているので、法律の専門家でもない限りほとんどの方はなんとなく知っている程度ではないでしょうか。
私自身、ブログの記事を書く際は、著作権の侵害についてはかなり気を付けていますが、それでも毎回不安が無いわけではありません。自分の解釈が間違っていないか、特に海外企業のGoogleやMicrosoft製品の記事を書く際は毎回何度もガイドラインを確認しています。
今回はとりあえず、著作権について知りたいという方に向けて、著作権についてと教育現場で著作権教育が必要な理由について、簡単に記載しています。
法律は知らないうちに改正されていたり、新しい法律が公布されていたりするので、公的機関の発信している新しい情報を参照する事をお勧めします。
※記載している内容は、各サイトの利用規約の範囲で引用、加工しています。
正しい情報をお伝えするように気を付けておりますが、誤りがありましたらお問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。
こちらの記事は2022年5月16日時点の情報です。
この記事を書いた人 taka
女子高校生の娘がいる在宅ワーカー
1995年のWindows95発表以来、暇さえあればインターネットで情報収集をしている。
教育現場でのICT活用に携わった経験をもつ。
著作権とは
著作権とは著作権法という法律に定められた著作物に関する権利で、知的財産権(※1)の一つです。
今回は、教育機関や私たちの生活に身近な著作権について扱います。

著作権法の目的
一言でいうと、著作権法は著作者の権利を守り、著作物を保護をする、そして正しく取り扱い文化の発展にも寄与する事を目的とした法律です。
第一条 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
出典:e-Govポータル(https://www.e-gov.go.jp) 法令検索 著作権法
明治23年(1890年)に公布され、昭和45年(1970年)に全部改訂されています。時代に合わせて内容を改正しながら現在に至ります。(※2)日本法令索引参照
※著作権法で保護の対象となる著作物であるためには条件を満たしている必要があります。条件については文化庁の著作物についてを参照してください。
著作権の内容
著作権の内容については法律で定められていますが、文化庁のサイトにわかりやすくまとめた内容が記載されています。
著作権制度の概要(文化庁)https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/
著作権法の罰則
著作権法には罰則があり、内容によって
十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金、または両方
三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金、または両方
一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金、または両方 など(著作権法より一部抜粋)
と決して軽くはありません。著作権の侵害というのは個人や企業の利益に大きくかかわるため、罰金の額も高額になっています。
なぜ教育現場での著作権指導が重要なのか
著作物が自由に使える場合
教育現場では、日常的に多くの著作物にふれています。
それにも関わらず、著作権についてきちんと指導されているとは言えない印象です。その理由の一つに
著作物が自由に使える場合 として以下の内容が該当するからです。
教育機関における複製等(第35条)
教育を担任する者やその授業を受ける者(学習者)は,授業の過程で使用するために著作物を複製することができる。また,「主会場」での授業が「副会場」に同時中継されている場合に,主会場で用いられている教材を,副会場で授業を受ける者に対し公衆送信することができる。複製が認められる範囲であれば,翻訳,編曲,変形,翻案もできる。
ただし,ドリル,ワークブックの複製や,授業の目的を超えた放送番組のライブラリー化など,著作権者に不当に経済的不利益を与えるおそれがある場合にはこの例外規定は適用されない。
出典:文化庁 https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html
教育現場で著作権指導が必要な理由
著作権というのは、とても複雑で小学生に指導するのは難しいと感じるかもしれません。しかし、子供たちが著作物に触れるのは学校だけではありません。
学校で指導されなければ、著作権の存在自体を知らないまま過ごす事になります。
GIGAスクール構想で一人一台のタブレットを使用するようになり、今まで以上にインターネット上の情報にも触れる機会が増える事になります。
今まで、授業の一環だから、とインターネット上の情報をそのまま利用していた例を多く見かけました。もちろん法律上は問題ありません。
しかし、子供の目から見れば「学校で教えてもらった」=「正しい事」と認識します。本のやインターネットの情報をそのまま書き写したり、コピーして使ってもいいと勘違いをしてしまう可能性があります。
書籍については出典や引用と記載して利用している場合が多いと思いますが、インターネットの情報はサイトによって条件が異なります。引用する場合は、サイトごとに利用規約を確認して使用する必要があります。
上記の理由から、著作物を利用して作品や発表資料を作る場合は「学校で使うから大丈夫」ではなく、著作権についても指導する必要があるのではないでしょうか。
必ずしも理解する必要はなく、低学年のうちは、友達の描いた図工の絵にも著作権があると伝える程度でもいいと思います。
著作権について学べるサイト
以下の記事でも記載していますが、学校での「情報モラル教育」は心の発達段階や知識の習得、理解の度合いに応じて段階的に学習していくため、学年や状況によって指導する内容は変わります。
今さら聞けない、「情報モラル」って何のこと? 図解付きでわかりやすく説明します。
著作権についても同様で、学年や学習の習熟度によって段階的に指導していく必要があります。
子供たちにもわかりやすく親しみやすいサイトが公的機関や団体から発信されているので、そのようなサイトを活用すると指導しやすいのではないでしょうか。
公益社団法人著作権情報センター
公益社団法人著作権情報センターの著作権教育は子供たちが著作権について学べるサイトです。5分でできる著作権教育、著作権教育の実践事例、みんなのための著作権教室などがあります。
キャラクターは、アンパンマンの作者のやなせたかしさんが担当されています。
NHK for School アッ!とメディア~
2022年4月から始まった新しい番組です。メディアリテラシーについて学習できます。
NHK for School アッ!とメディア~
https://www.nhk.or.jp/school/sougou/atmedia/
少しずつ更新していきますので、以下のページもご確認ください。
参考資料
日本法令索引 著作権法
e-Govポータル 法令検索 昭和四十五年法律第四十八号 著作権法
文化庁 ホーム > 政策について > 著作権 > 著作権に関する情報
公益社団法人著作権情報センター
著作権パンフレット 学校教育と著作権
著作権教育
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